合同会社で人材派遣業

合同会社が人材派遣業を営めるか


結論から言えば、合同会社も人材派遣業を事業目的とすることができます。実際にも、合同会社の形態を取る派遣会社は存在します。ただし設立の際には、いくつか注意すべき点があります。

人材派遣業には、「一般労働者派遣事業」と「特定労働者派遣事業」の2種類があります。このうち一般労働者派遣事業は、主として登録社員を派遣する事業です。すなわち普段は労働者を登録してあるだけで、仕事の依頼があったときのみ、労働者を派遣します。

日雇いをはじめ、短期の派遣が可能で、いわゆる「派遣」のイメージに近い事業です。この事業は免許制であり、厚生労働大臣の許可が下りなければ営業できません。合同会社だから免許を取得できないということはありません。

ただし許可を得るには資本金が2千万円以上必要で、有効期間である3年が過ぎれば更新しなければなりません。特に資本金の条件は、小規模経営の多い合同会社にとっては厳しいといえます。
一般労働者派遣事業を興したいなら、株式会社のほうが向いているでしょう。

これに対して特定労働者派遣事業は、常用社員のみを派遣する事業です。常用社員とは、いわゆる正社員であり、少なくとも1年以上継続して雇用されていなければなりません。派遣期間が1年未満だったときは、派遣元の会社が給料を支払う必要があります。

また原則として、社会保険や労働保険に加入していることが条件です。イメージとしては、自社の従業員を、相手先の必要に応じて貸し出すような形になります。特定労働者派遣事業は届出制なので、厚生労働大臣に届け出れば済みます。

また有効期間は無制限です。このような点から、合同会社では、こちらの形態を取っていることがほとんどです。たとえばソフトウェア開発のベンチャービジネスで、専門技術者を派遣する会社や、土木・建築技術の専門家を集め、被災地復興のために派遣する会社などがあります。

なお合同会社の「社員」は、労働者とイコールではないことに注意が必要です。たとえば代表社員は、株式会社の代表取締役に当たります。労働者派遣法では、経営者が自らを派遣することはできないことになっています。
ですから一人会社を設立して、自分自身を派遣するのは禁止です。個人経営で取引先と請負契約をしていた場合、合同会社を設立して派遣契約に変えるといったことは不可能なので、気をつけてください。
代表社員以外の社員も出資者になりますが、こちらは多くの場合、派遣できると解釈されます。

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